2006年12月

2006年12月16日

トリガー

最近、訳あって書店の参考書売り場に足を運ぶことが多くなりました。小学生向けの学参の数には驚かされます。同じ棚に、教科のことではない親向けの本も並んでたりして、発売する側の努力もかいま見られます。

でも、実は売れ筋の学参の書き方はどれも皆同じです。

「・・・式・・・」
「・・(個人名)の・・・」
「・・(キャラクター名)の・・・」
「・・○○日で△△する・・・」

つまり、まずは、トリガー(trigger・動機付け)からということです。動機付けというとモチベーション(motivation)と訳されますが、モチベーションを高めるためには、トリガーが絶対必要です。トリガーでなく、トリック(trick)でもいいくらいです。「とにかく、どこからでもいいので、子どもに入り口を示してあげて、勉強をさせてあげよう」という方法です。

これは、当然のことで、実際に学校の授業でも導入段階でのトリガーがうまくいかないと授業はさんざんな結果におわります。

・・・しかし!

授業は、その後も先生が工夫をして進めていきますが、学参はそうはいきません。いくら、マンガのキャラクターが説明してくれても、子どもは、マンガそのものの結末を欲しがり、学習内容に目をむけないため、大人の思惑通りには学習しません。子どもの力だけでは、大抵が3日坊主になってしまうのはそのためです。

学習を開始するために最重要なことはトリガーですが、忘れてはならないのは、継続(keeping on)につながるということです。こう考えると、ほとんどの参考書が自学自習を完結できないのは、トリガーの繰り返しだからだといえます。売ることを考えれば無理のないことですが、中には双方を満たしている優れたものもあります。しかし、その類の学参は、トリガーの段階で、あまり多数の子どもの心をつかんでいないという傾向があると思います。

アニメキャラのようなトリガーを持ち、継続が楽しい参考書が教育界のベストセラーになれば、勉強法そのものを変化させ、子どもたちに内発的な学習態度を発揮させる機会になるかもしれません。

そうなれば日本が変わるでしょう。
これ、内山の夢だったりします。

2006年12月07日

いじめ

いじめ・・・

しっかし、みんな黒白つけたがるのが好きですねぇ。
自殺の予告から、いじめの告発、おとなのいじめの報道まで・・・。

内山は、教員時代から言ってたのですが、いじめの構造はそんなに単純じゃありません。ドラマみたいに、完全無欠なワルが完全無欠な善人をいびっているならともかく、そんな例は滅多にありません。でも、事はどれもしゃれにならないくらいおおごとなのです。

一部のうわさ話で事実を見失って、そうでなくとも不安定な当事者達を刺激することは百害あって一利なしです。だいたい、いじめの内容なんて報道されなくても皆知っています。

いじめのうわさや報道はしないに限ります。そんな記事で人を引きつけていたら民度が下がっていく一方です。

人間の本質からいって、いじめが全く根絶されるわけはない。それでも、みんな生きて行かなきゃならないのです。当事者とそれにかかわる人たちが、人知れず解決の努力を繰り返すしかないのです。
常軌を逸した精神状態になる前に、判断させてやるしかないのです。

「加害者には、断固たる措置を!!」といわれても、よっぽどの事じゃない限り、その断定はできません。そこまでくれば犯罪行為ですから、言われなくても対策は練れます。

対処療法をプレス発表する前に、若者の行く末に夢を与える努力の方がよっぽど大切です。

「自分はそのままでいいから、目線を上空に置いて自分と皆を見てごらん。理解者はたくさんいるし、捨てたものではないよ。私も相手に対しては、よっぽどのことがない限り口出しはできないけど、君の理解者だよ。」

・・・なんてことを、教師時代に人間関係がおかしくなり始めた生徒に言っていました。こんなひとことでも早期発見ができれば、少なくとも負のスパイラルは止まります。相手に対してまわりが行動を起こさなくても、安全な場所を心の中に確保できるからです。いじめる子、いじめられる子は、自分の中にセーフティーゾーンを持たなくなったときに行動が開始されます。

発見の種は至る所に転がっています。それは、子どもをほめる種と同じくらいあるかもしれないのです。

普段、どっちも大人は見落としてしまっています。どちらかに目を向けるだけでセーフティーゾーンを与えることができるのにです。
The writer
Profile
マインドマップインストラクター(これまでに15,000人超に講座を実施)、有限会社ストリートランプ代表取締役、元株式会社ブザン・ワールドワイド・ジャパン取締役、元一般社団法人ブザン教育協会理事、教育ITコンサルタント、リテラシー教育、元高校教師、柔道5段、スキー1級、シスアド、読書、作詞、作曲、MIDI、黒澤明、クリントイーストウッド、教師だった経験を生かし、東京秋葉原を拠点にセミナー、セッション、講演、コンサル、開発、執筆活動中。
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