2005年11月01日

一切れのパン

何かの折にふと思い出す物語があります。
以前にも述べた映画の一場面だったり、誰かのエピソードだったりするのですが、物語では、内山的には、「老人と海」と「一切れのパン」です。
「老人と海」は、少年時代にマンガのように読破できた初めての小説です。
問題は、「一切れのパン」です。何せ、どこで読んだのか、あるいは、人に聞いたのか、全く記憶にありません。しかし、何故かあらすじをよく覚えているのです。
以下のようなお話です。(作者、国名、細かい描写は覚えていませんが話は合っていると思います。)

戦時中、他国に住むある男が、(確か)国際情勢の変化で、その国の軍隊に狙われる身になります。結局、捕らえられ、列車(トラック?)に監禁されてしまいます。そこには、同じ身の上の人たちがたくさんいました。そして、皆で話し合い「脱走しよう」ということになります。そのとき、ある老人が彼にハンカチの包みを差し出し、
「この中にはパンが一切れ包まれている。道は遠かろう。これで空腹を満たしなさい。」と言います。
彼が受け取ろうとすると、老人は条件を出します。
「ただし、すぐに食べてしまってはいけない。我慢をし、本当に食べて良いかどうか判断の上、包みをあけるように。」という内容です。
そして、列車から脱走、脱走の後は、皆バラバラに走りました。

彼は、何日も軍隊の陰におびえながら、あるときは隠れ、あるときは逃げ続けます。
途中、何度も空腹に襲われ、ハンカチの包みを開けようとするのですが、老人の言葉を思い出し、そのたびに思いとどまるのです。

(目的地が隣国だったか、自宅だったか覚えていませんが、)ついに、目的地にたどり着き、敵の手から逃れたとき、彼は、老人に大いなる感謝をするのです。
「このたった一切れの包みが心のよりどころだった。この小さなパンが私を救ってくれた」と・・・。

そして、彼は、静かにハンカチの包みを開きます。
すると・・・。
包みから現れたのは、パンではなく「木の枝」だった・・・。

・・・という物語です。

「包み」に感謝するところで、気持ち的には物語は終わってしまったのに、その後に訪れたどんでん返しが印象に残っていたのだと思います。

内山少年は、この物語から
「我慢することの尊さ」
「我慢するために必要なこと」
「信じることの強さ」を学んだのでした。
40歳を過ぎた今では、
「己の考え方次第で、生き方はいくらでも変えられる・・・」という教訓になっています。

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arsene_u at 00:27│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by Reagan   2014年03月31日 13:16
haha. votes are already in and i didn’t get the chance to vote but i would have vote for mr. Ben Nordgberg. he just rips and came through with a sick double rock

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The writer

内山雅人

Profile
TonyBuzan公認マインドマップインストラクター(これまでに40,000人超の方々に講座を実施)、一般社団法人学びコミュニケーション協会代表理事、有限会社ストリートランプ代表、一般社団法人ZERO理事、帝京科学大学非常勤講師、一般社団法人学び方を学ぶプロジェクト理事、特定非営利活動法人ぐんまHolistic Health College監事、教育ICTコンサルタント、メンタルコーチ、リテラシーコーチ、元高校教師、教師だった経験を生かし、東京秋葉原を拠点にセミナー、セッション、講演、コンサル、開発、執筆活動中。
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